「頭脳勝負-将棋の世界」 渡辺明 (ちくま新書) ★★★★
「司法試験に大学3年生で、一発で合格するなんて、頭がいいんですね」と言われることがありました。
(最近は言われることも減りましたが・・・)
私自身は、いわゆる法的思考には向いていたのかなぁとは思いますが、頭がいいとは思いません。そして、私が「本当に頭がいいなぁ」とあこがれるのが「棋士」。将棋指しですね。
この本は、史上4人目の中学生プロ棋士となり、現在竜王のタイトルを保持する渡辺明の著書。棋士が何手先を読むかといった素人的質問だけでなく、プロ同士の勝負の分かれ目がどこにあるのかを、例えば封じ手のタイミング、かけひきを通じたメンタル面などにわたって解説しており、とてもおもしろい一冊です。
学生時代は、能條純一のまんが「月下の棋士」を愛読し、司法試験に合格したら真剣に将棋を勉強しようと考えていた私。司法試験合格後、一度は本当にトライするも、コンピューター(初級)相手に何度やっても勝てず、3時間で挫折しました。今も、棋士は「憧れの存在」です。