未来創造弁護士法人

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設問10(10月18日検討予定)

Aの無権代理人で、Aの妻であるBは、Aの土地をYに譲渡し、移転登記も経由した。その後Bが死亡してAとABの子Xがこれを相続した。さらにAも死亡してXが相続した。そこで、XはYに対して、本人Aの地位で追認を拒絶して登記の抹消を求めた。この請求は認められるか。

Yは成人であるが精神障害があり、5歳程度の知能年齢にあった。Yの身の回りの世話をしている長姉のAは、Y所有の建物をXに賃貸する予約をし、違約金も定めたが、その際には次姉のBも立ち会った。ところが、その後AはXへの賃貸の履行を拒絶し、建物をCに譲渡してしまった。そこで、XはYに対して違約金の支払いを求めたが、Aは家庭裁判所にYについて後見開始の審判の申立をし、これが認められて、Bが後見人に選任された。Bは後見人として、Aの行ったXとの賃貸借予約を無権代理行為としてその追認を拒絶した。Xの請求は認められるか。

なお、後見人に選任されたのがBではなく、Aであった場合はどうか。

Xは、自らの営む商売の資金繰りが苦しく、融資を受ける必要が生じたため、Cに相談したところ、Cは、Xが所有している土地を担保にすれば、知り合いが経営するA会社から融資をしてもらえるといい、X所有の土地に抵当権を設定するのに必要な書類とともに、X名義の白紙委任状(代理人欄、委任事項が白紙となっている)を交付させた。この委任状についてCはXに対し、「Xの代理人をCとし、委任事項はA会社から100万円の融資を受けるための契約締結と、そのためのX所有土地に対する抵当権設定に関する事務と記載して、Aに渡すから」と説明した。

ところが、A会社は、Xに金を貸すどころか、自ら倒産寸前であった。A会社の代表取締役Bはかねてから誰か物上保証人(自分の会社の借入のために、担保となる資産を提供してくれる人)がいないか探してくれとCに依頼していた。Cは、Bに対して「物上保証人が見つかった」と嘘を言い、Xから預かった書類をBに渡した上、白紙委任状の代理人欄にBを、委任事項欄にA会社がYから融資を受けるについて、Xの土地に抵当権を設定すること書き込み、この書類を使ってYに対してXの土地に抵当権を設定した。 

以上の事案で、XはYに抵当権設定登記の抹消を請求できるか。それともAが借金を返さない場合、Yの請求により、この土地は競売にならざるを得ないか。民法109条の各要件に照らし合わせながら検討しなさい。

Aは、Xから借金をするにあたり、保証人を立てるように要求されていた。しかし、Aには、他にも借金が多かったため、Aのために保証人になってあげようとする者はいなかった。

ところで、Aは、近日中に引越をする予定で、そのアパートを借りる際の保証人にYがなっても良いといっており、Yは、自らの実印をAに預けていた。そこで、Aは、このYの実印を利用し、自らYの代理人と称し、AがXから借金をする連帯保証をYがするという契約をXが結んでしまった。

(1) 結局AがXに対して借金を返済できなかった場合、XはYに支払いを請求することができるか。

(2) 上記でYが責任を負う場合、Yには、どのような落ち度(帰責事由)があったと評価されるのか。

(3) 109条と110条を比較すると、どのような違いがあるか。代理権の有無、帰責事由の性質について比較しなさい。

【ヒント】

最判昭和63.3.1 判例時報1312-92

最判平成10.7.17 民集52-5-1296

最判平成6.9.13 民集48-6-1263

最判昭和47.2.18 民集26-1-46

最判昭和41.4.22日 民集20-4-752

最判昭51.6.25 民集30-6-665