初めての少年事件③~審判編~
いよいよ審判です。
審判は、①人定質問、②黙秘権の告知、③送致事実についての認否、④送致事実についての付添人の意見、⑤裁判官と少年の対話、同席する両親に対する質問、⑥付添人の少年に対する質問、処遇意見、⑦調査官の少年に対する質問、処遇意見、⑧裁判官による審判の言い渡し、の順に手続は進行します(1時間程度)。手続きの流れは刑事裁判と似ていますが、検察官が関与しないこと、非公開であること、⑤にほとんどの時間が充てられること、通常、審判はその場で言い渡されること、が刑事裁判と異なります。
裁判官は事件や少年の性格をよく把握し、鋭く、説得的に少年に語りかけていました。また、調査官も、「さすが少年事件の専門家!」と思わせる鋭い質問をしていました。少年は深く考えさせられたことでしょう。
そして審判の言い渡し。少年にとっては厳しい処分だったかも知れませんが、きっといつか、裁判官に感謝する日が来ると思います。
非行少年は日陰に生えている少し曲がった苗木のようなもの。日向に植え替え障害物を取り除いてあげれば、きっと真っ直ぐな大木となり、大きく枝を広げ、花を咲かせることでしょう。
審判前に提出した報告書や意見書を読んだ裁判官から、「良い仕事をしてくれましたね。」と言っていただきました。そして、何よりも、審判の言い渡し後、少年から「ありがとうございました。」と言われ、握手をして別れたとき、とてもやり甲斐を感じることができました。
ご指導いただいた先輩弁護士や裁判所の皆さん、そして日頃から「何でもやってみな。」と言ってくれるボスに感謝感謝です。
少年事件に興味を持たれた方は、マンガの「家栽の人」(小学館)を読んでみてはいかがですか?作中よく出てくる家庭裁判所の外観は、横浜家裁がモデルになっているんですよ。
初めての少年事件~完~
(アソ弁)
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