債務不存在確認訴訟の難しいところ
杉花粉症の季節が近づいてまいりました。
さて、ボスが『「債務不存在確認訴訟」という武器』というタイトルで債務不存在確認訴訟の有用性を書いていました(その訴訟は私が担当していました。)。
債務がないのにしつこく取り立てをしてくるような人に対しては、裁判所の判決によって「債務がない」ということを確認してもらうことは有効な武器になります。
そこで、今回は依頼者のご希望に添うべく、債務不存在確認訴訟を提起したのですが、実は訴え提起までには悩ましい問題点が多々ありました。
まず、印紙代の問題。
裁判を起こす際には、裁判所に審理してもらう金額に応じて、裁判所に予め納めなければならない訴訟費用の金額が決まっています。本件では、相手方からの請求額は当初は数百万円だったものが、いつの間にか1億数千万円になっていました。この額を基準に算定すると、訴訟費用は60万円近くに。いわれのない債務の不存在を確認してもらうのに、この金額は払えないというのは当然の感想ですよね。この点は結局、色々考えて1万数千円で済ませることができました。
次は、不存在確認を求める債務の特定の問題。
債務不存在確認訴訟を起こす場合、「~という債務がないことを確認する。」という判決をして欲しい旨訴状に記載しなければなりません。これが、たとえば、「平成○年○月○日の金銭消費貸借契約に基づく債務がないこと」のように、単純なものなら特段問題はありません。しかし、本件は、根拠不明の請求が執拗になされたという事案でしたので、債務の特定に一苦労しました(「原告の被告に対する債務が一切ないこと」では特定できませんので。)。
いわれのない請求にお困りの方、債務不存在確認訴訟を武器にしてみてください。
(アソ弁)
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