「宇宙創成(上・下)」 サイモン・シン (新潮文庫) ★★★★★
月や太陽の大きさや、月や太陽までの距離はどうやって測ったのか、「天動説」「地動説」から始まる。地動説が定着しなかったのは宗教上の理由からではなく、「地球が動いているなら地球上の人はなぜ振り落とされないか」が説明できなかったからだそうな。
ニュートンが万有引力を発見し、アインシュタインが相対性理論を発表し、天文観測技術が発達して、天の川銀河の外にも銀河(それまでは星雲だと思われていた)があることが分かる。
そして、光のドプラー効果で、それら銀河のほとんどが、急速に遠ざかっていること、すなわち宇宙が膨張を続けていることが分かり、ビッグバンが裏付けられる。
「天文学的数字」という言葉があるが、無数の星と宇宙の100億年ともいわれる歴史の中で、自分が地球に今生きていることが幸運なのか、不運なのか、否が応にも哲学的な感傷にふける1冊。
サイモン・シンは3作目ですが、「フェルマーの最終定理」「暗号解読」と理系音痴でも本当に楽しめる作品が続く。そして、これだけの専門的な話を翻訳する訳者もすごい。
あとは、ビッグバンの前の宇宙はどうなっていたのか、そして膨張を続けた宇宙は今後どうなるのか、解明されるのを待ちたい。
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