交通事故と二次被害
最近、事務所訪問に来た修習生たちとお話する機会が増えてきました。我々は修習を終えて相当時間が経過しておりますので、今の修習生がどのような生活を送っているのか、どのようなことを考えているのか等について、大変興味を持っています。是非、色々な話を聞かせて下さい。
さて、先日、担当していた交通事故の訴訟が終了しました。
後遺障害等級の認定を既に受けていたにもかかわらず、保険会社が交通事故と怪我との因果関係を否定し、一切の保険金の支払いを拒絶したため訴訟になったという事案でした。
弁護士といえども医学に関しては素人ですが、裁判は、結局は裁判官の法的な判断を求めるものですから、要は、裁判官が法的判断をするのに必要な医学的情報を、裁判官の判断プロセスに従い、わかりやすく伝えることが重要となってきます。
簡単な医学書や論文を読んだり、人体図鑑を購入して骨格や神経の構造や名称を把握した上で、主治医の先生から必要な情報を聴取し、それを書面にして裁判所に提出しました。
その結果、こちらの主張をほぼ認めてもらう内容で和解が成立しました。依頼者の方には、「(後遺症の)痛みが出るたびに裁判のことを考えて憂鬱になっていましたが、これからは治療に専念できます。ありがとうございました!」と、大変喜んで頂けました。
交通事故の被害者の方は口をそろえて、「お金をもらったところで体が元に戻るわけではないが、怪我を正当に評価してもらえないのは、人格まで否定されているように感じる。」と仰います。
正当な賠償金を勝ち取ることはもちろんですが、交通事故で被害に遭い(一次被害)、その後人格まで否定された(二次被害)方の人格を回復することも弁護士の重要な役割だと思って、日々勉強に励んでいます。
(アソ弁)
【顧問弁護士ネット 横浜市 顧問弁護士】
横浜の弁護士 離婚 相続 交通事故は三谷総合法律事務所