鑑定やいかに!
というナレーションでおなじみの長寿番組がありますが、裁判でも鑑定を行うことがあります。もっとも、裁判官が「いい仕事をしてますね~」と鑑定するのではなく、裁判所が鑑定人を選任し、選任された鑑定人が行うという流れになります。
今回、損害保険料率算出機構が出していた後遺障害等級非該当という結論を、交通事故訴訟の鑑定によって覆すことに成功したのでお話ししたいと思います。
依頼者は、交通事故で頚椎に損傷を受け、医師の診断では後遺症が残るとのことでした。ところが、後遺障害等級の認定申請をしたところ、「非該当」という判断がなされてしまいました。
これに対して異議申し立てをしたものの、判断は覆らず。
そこで、後遺障害があることを前提として損害賠償請求訴訟を提起したのですが、当然、被告は後遺障害の有無を争ってきました。こうなってくると、裁判官も医学的には素人ですから、専門家である医師の意見を聞かざるを得ません。というわけで、鑑定人として大学病院の整形外科医が選任されました。
鑑定の内容は、書面審査(カルテ、MRI、レントゲン画像等)と診察の二本立て。依頼者と一緒に大学病院に赴き、診察してもらいました。その結果、後日、後遺障害があるとの鑑定結果が出てきました。
やはり、単なる書類審査と、実際に診察してもらうのとでは違うと思います。
いつも上手くいくとは限りませんが、後遺障害「非該当」とされたりして納得できない場合、諦めずに弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
(兄弟子)