裁判員裁判と被害者参加 その4
今回は被害者やご遺族が実際に裁判でどのようなことができるのかご説明します。
かつては、被害者や遺族は、捜査機関から事情を聴かれた内容が調書になったり、あるいは証人として法廷で尋問を受ける、いわば「受け身」の立場でした。
しかし、近年、法律が改正され、一定の事件については、被害者や遺族が主体的に裁判に参加できるようになりました。
たとえば、被告人や証人に質問することもできますし、法廷で意見を述べることも認められました。
意見を述べる方法は、
①心情に関する意見陳述
②事実・法律の適用に関する意見陳述(被害者論告とも言います)
の2通りあります。
①は、被害感情や事件に対する思いを述べる手続であり、量刑を判断するための証拠になります。
②は、検察官の論告・求刑の後に、被害者・遺族の立場から事実上・法律上の意見を述べたり、求刑を述べる手続です。
これらは、被害者やご遺族自身が行うだけでなく、弁護士が代理で行うことも認められています。
2つの手続は、一見似ているようで、認められる内容、範囲が異なりますので注意が必要です。
被害者や遺族がせっかく準備をして裁判に参加しても、内容が範囲外に及ぶと被告人や弁護人から異議が出されるケースもあります。そうならないために、事前に被害者参加弁護士から説明させて頂いたり、検察官と打合せをしておくことが大切です。
(新弟子)