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未来創造弁護士法人

横浜(本店)と藤沢(支店)にある法律事務所で日々奮闘する弁護士とスタッフが、気の向いたときや機嫌のいいときに更新する事務所日記です。

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【第74回SUC三谷会】 遺産分割研究 その3

本日は、特別受益寄与分についての研究でした。

特別受益については、持戻しの免除がある場合とない場合で、遺産分割や遺留分に与える影響を整理して理解することが大切ですね。

また、寄与分あまり認められないという先入観を持っていましたが、「もっとチャレンジしたほうがいいのかも」という学びを得ました。

 

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第74回SUC三谷会 遺産分割勉強会レジュメ

平成28年12月12日

 

第1 特別受益

 

 

第903条

  1. 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
  2. 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
  3. 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

 

1.特別受益とは

  特定の相続人が、被相続人から婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として生前贈与や遺贈を受けているときの利益。

 

・審判で、特別受益の有無・価額を判断できる(S41.3.2)

特別受益財産であることの確認の訴えは不適法(H7.3.7)

 -紛争の直接抜本的解決にならないこと&遺産分割申立て及び遺留分減殺請求などの前提として審理判断され、この点のみ別個に判決によって確認する必要はない。

 

2.種類

  ①遺贈

  ②生前贈与

   ア 婚姻又は養子縁組のための贈与

   イ その他生計の資本としての贈与

 

 ・基本的な分類については、東京家庭裁判所の資料参照。

 

 ・大阪高裁決定H19.12.6

  公立・私立が分かれ、費用の差が生じたとしても、通常、親の子に対する扶養の位置内容として支出され、遺産の先渡しとしての趣旨を含まないと認識するのが一般的~、仮に特別受益と評価しうるとしても、特段の事情のない限り、被相続人の持戻免除の意思が推定されるものというべき。

 ・東京家審H21.1.30

  1月に10万円を超える送金は生計資本としての贈与であるが、それに満たないものは扶養的金銭援助にとどまる。

 

3.特別受益が問題となる場合

(1) 共同相続人の1人が受取人の生命保険と特別受益

    原則は特別受益とならないが、特別受益に準じて持戻しの対象となる場合もある。

    ・最高裁H16.10.29

     民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事由が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。

   参考:

    H16.10.29            9.6%  ×

    東京高裁決定H17.10.27     99.9%  ○

    大阪家裁堺審判H18.3.22     6.1%  ×

    名古屋高裁決定H18.3.27    61.1%  ○

 

(2) 死亡退職金等遺族給付

    持戻しの対象とすべきではない。

(3) 借地権の承継

    借地権価格相当の対価を支払った場合を除き、特別受益にあたると解される。

(4) 借地権の設定

    世間相場の権利金を支払っている場合を除き、贈与と同視することができ、特別受益に該当する。もっとも持戻し免除の意思表示が認められる場合もある。

    東京家裁審判H12.3.8

(5) 相続人が底地権価格相当額で借地を買い受けた場合

    被相続人が借地権を有している土地を、その生前、相続人の一人がいわゆる底地権価格相当の金額で、地主から買い受けた場合。

    被相続人から借地権の贈与(又は放棄)とみられるかどうか?

    被相続人に借地権が残存しているかどうか?

   ・借地権が他の者の準共有の対象とされている場合混同の例外として消滅しない。CF東京地裁H20.10.9

(6) 遺産の無償使用による利益と特別受益

    使用借権が設定されている土地として使用借権減価し、使用借権評価額相応の利益を無償利用してきた相続人の特別受益として持戻しが実務の主流。

    ただし、遺産の価値とはかかわらない地代相当額は特別受益額とはならないという見解。

    東京地裁H15.11.17

(7)  扶養等の負担付きの場合

    扶養の負担と使用利益とは実質的に相当の対価関係に立つので、特別受益とはいえない、仮に特別受益としても黙示の持戻し免除があるとするのが相当。ただし、この場合の扶養については寄与分の主張はできないものと解される。

(8) 建物の無償使用

    独立の占有が認められる場合→賃料相当額は特別受益とはならない。

    占有補助者→独立の権限がないので、特別受益とならない。

 

4.特別受益者の範囲

(1) 被代襲者の特別受益

代襲者に対する生前贈与等は、代襲相続人の特別受益として算入。

(2) 代襲者に対する生前贈与

通説:代襲原因発生前に贈与等-特別受益には含めない。

代襲原因発生後に贈与等-特別受益に該当。

 

(3) 受贈者が贈与後に推定相続人の資格を得た場合

    支配的見解:開始時に相続人であれば足りる→持戻しの対象とする。

 

(4) 相続人の配偶者・子の得た特別受益

特別受益の持戻しの対象は、相続人に対する贈与。

∴原則特別受益に該当しない。

もっとも、真実は推定相続人に対する贈与であるのに名義のみその配偶者としたというような場合は、実質的には相続人に対する贈与があったとみなして特別受益に該当する場合もあり。

福島家裁白河支部審判S55.5.24

(5) 包括受遺者

    共同相続人以外の第三者-持戻し予定していないのが、通常の意思

               →否定

    共同相続人-持ち戻すべき。

(6) 第2次相続と特別受益

    H17.10.11では、まず、第1次被相続人の未分割遺産について分割し、次いで、第2次被相続人に分属した財産についてさらに再転相続人に分割する。

 

 5.特別受益の評価

(1) 評価の基準時-相続開始の時点。

    遺産分割は、分割時を基準、特別受益は相続開始を基準。

   

・受遺者の行為によって滅失等した場合→相続開始時、なお原状のままであるとみなして評価。

・受遺者の行為によらずして滅失等した場合

 →滅失の場合、特別受益なし、価格増減の場合、変動後財産の相続開始時価格で評価。ただし、通常の方法で使用し自然朽廃した場合、利益を受けた範囲で特別受益

(2) 貨幣価値の変動

・金銭:贈与時の金額を相続開始時の貨幣価値に換算し評価。

・金銭以外:貨幣価値の変動は考慮しない。

(3) 特別受益証明書(相続分不存在証明書)

    不動産登記で用いられる。

    これが交付されると遺産分割協議が成立と評価、もっとも一部の相続人から交付がないと分割協議は成立していないので、交付した相続人も含め、分割調停を行う。

 

6.主張責任

  ・分割調停や審判は職権主義、ただし主張がなければ取り上げられない。

  ・特別受益を主張する者・持戻し免除の意思表示を主張する者それぞれが、立証責任を負う。

 

7.持戻し免除の意思表示

(1) 方式

    ・生前贈与:特段の方式なし。

     遺贈:遺贈が要式行為のため、遺言によってされる必要(多数説)。

(2) 黙示の持戻し免除の意思表示の有無の認定

    視点:被相続人が特定の相続人に対して、「相続分以外に財産を相続させる意思を有していたことを推測させる事情があるか否か」

    例)家業、見返り利益受けてる、特別事情(病気)、全員に贈与

(3) 超過特別受益

    特別受益が一応の相続分を超過する場合、超過分は返還不要、ただ、新たに財産取得不可。    

    ・遺留分との関係:超過特別受益型の相続人の遺留分を侵害するときは、その限度で遺留分減殺請求の対象。

 

第2 寄与分

S56.1.1以降の相続で適用。

 

 

第904条の2

1.共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

 

2.前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。

 

3.寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

 

4.第二項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。

 

1.寄与分とは

特定の相続人が、被相続人の財産の維持または形成に特別の寄与、貢献した場合に、寄与者に対して寄与に相当する額を加えた財産の取得を認める制度。

 

2.法律構成

  身分的財産権説、調整説があり。-相続人全員に同一程度の特別の寄与があった場合の処理において差異。

  →実務は、特別の寄与があったと考える相続人からの寄与分の申し立てがあればその者につき寄与の有無を判断するにとどまる。

 

3.財産権の扱い

  Q 相続人の寄与行為について、報酬請求権や貸金返還請求等の財産法上の  請求権を取得する場合でも、寄与分が認められるか?

  A 実務:選択的に認めている。二重取りは×。

 

4.寄与分を受ける資格

  原則相続人。

ただし、相続人以外の寄与は相続人自身の貢献としてみなし、相続人の寄与として主張することができると解している。 高裁決定では許容(東京高裁決定H1.12.28・東京高裁決定H22.9.13)

  ・相続人以外の包括受遺者:寄与の程度の遺贈がされている場合、それ以上は認めない。少ない場合は、寄与分の適格は認めつつ(990条)、一切の事情を考慮する。

  ・代襲相続人の寄与分の主張

-被代襲者の寄与分を取得(熊本家裁玉名支部審判H3.5.31)

 

5.寄与分の要件

①相続人自らの寄与

②特別の寄与

-夫婦間の協力扶助義務、親族間の扶養義務・互助義務の範囲内は×

被相続人の遺産が維持又は増加したこと

④寄与行為と被相続人の遺産の維持又は増加との間に因果関係があること

 

6.寄与分の態様

ア 家業従事型

    ①特別の貢献、②無償性、③継続性、④専従性

イ 金銭等出資型

    不動産の購入資金の援助、医療費や施設入所費の負担

ウ 療養看護型

  ①療養看護の必要性、②特別の貢献、③無償性、④継続性、⑤専従性

エ 扶養型

  ①扶養の必要性、②特別の貢献、③無償性、④継続性

オ 財産管理型

    賃貸管理や立ち退き交渉など

    ①財産管理の必要性、②特別の貢献、③無償性、④継続性

カ 先行相続における相続放棄-原則否定

 

7.寄与行為の時期-相続開始まで。評価時点も同様。

8.みなし相続財産

  寄与分算定のための基礎財産は消極財産を一切考慮しない積極財産のみ。

9.寄与分算定の具体的方法

  ①相続財産全体に占める寄与分の割合を定める方法

  ②寄与分に相当する金額を定める方法

  ③相続財産のうちの特定物をもって寄与分と定める方法

10.手続き

   協議→調停→審判(遺産分割の審判において1ヶ月を下らない範囲内で申し立てをすべき期間を定めることができる。

 

11.寄与分の限界

(1) 生前贈与との関係

    寄与に対する実質的な対価として生前贈与が行われている場合は、その贈与を持戻さずその限度で寄与分を認めない。

    盛岡家裁一関支部審判H4.10.6

(2) 遺贈との関係

    遺贈は寄与分による修正を受けない。

(3) 相続分の指定との関係

    具体的相続分は寄与分による修正を受ける。

(4) 遺言との関係

    寄与分を与えないという遺言-法的な意味はない

    寄与分考慮の上で遺贈や相続分の指定-遺言として寄与分については拘束力はないが、一切の事情として斟酌される。

(5) 遺留分遺留分減殺請求訴訟との関係

    遺贈を控除した額の範囲内であれば、遺留分の額に食い込む寄与分ありうる、寄与分遺留分に優先。

     東京高裁決定H3.12.24

(6) 寄与分を有する共同相続人への遺留分減殺請求の可否

    減殺請求の対象とはならない。

(7) 遺留分減殺請求訴訟に対する寄与分の主張

    寄与者は寄与の事実を抗弁として主張し、減殺額の減少を主張することはできない。

    ∵寄与分遺留分算定の基礎としておらず、その主張は分割と死後認知受けた相続人の価格支払請求に限定。訴訟事項と審判事項の違い。

     東京高裁H3.7.30

(8) 遺留分減殺請求で取り戻された財産と寄与分

    取り戻し財産に寄与分を定めることはできない。

 

第3 寄与分(態様ごと)

1.家事従事型

  相続人が被相続人の事業に関する労務の提供に該当する類型で、農業や商工業、医師、弁護士、司法書士公認会計士、税理士などの業務を含む。

 

(1) 要件

 ①被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与

 ア 特別の貢献

   Q配偶者の寄与(同居、協力、扶助義務との関係(民法752条))

   -自営業を協力⇒扶助の範囲超える

 イ 無償性

   原則として無償。

   もっとも、第三者を使用、雇用した場合に行っていたであろう支出と、相続人に対する現実の給付との間に差額がないときには無償性がないものと評価し、一方、差額がある場合には、その差額をもって寄与分算定の基準とすることになる。大阪高裁決定H2.9.19

 ウ 継続性

   相当長期間にわたって継続。3~4年は必要では。

 エ 専従性

   寄与行為が臨時や片手間では足りない、かなりの負担を要することが必要。

 

 ② 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

 

(2) 被相続人の営む会社への労務提供

    原則会社への貢献、例外的に個人事業に近い・資産確保と関連がある、対価がない場合は認められる余地がある。

    高松家裁丸亀支部審判H3.11.19

(3) 評価方法

    一般的:寄与相続人が得られたであろう給付額×(1-生活費控除割合)  ×寄与期間

       *労務について相続開始時の標準的報酬額

       *生活できていたとすると、寄与相続人の実質的生活費が家業収入から支出されているから。

    長期に農業に従事:相続財産の総額×貢献割合

  

   ・神戸家裁審判S50.5.31、福岡家裁久留米支部審判H4.9.28

 

(4) ポイント

   【確認事項】

    ①被相続人との身分・扶養関係

    ②労務提供に至った事情

    ③労務提供の時期及び期間

    ④労務の形態及び内容

    ⑤報酬の有無、報酬を受けていればその金額

    ⑥労務の提供による財産上の効果  

   【算定】

    1.労務内容に対応する平均賃金・報酬

    2.家業の収益性

    3.寄与相続人の家計状況

    4.他の相続人の労務提供状況

 

2.金銭等出資型

  相続人が被相続人に対し、財産上の給付を行い、又は被相続人の借金を返すなどして、相続財産の維持又は増加に寄与した場合。

(1) 要件

 ①被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与

 ア 特別の貢献

   小遣い程度では×

 イ 無償性

 ② 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

 

(2) 被相続人の営む会社への金銭出資

    原則会社への貢献、例外的に個人事業に近い・資産確保と関連がある、対価がない場合は認められる余地がある。高松高裁決定H8.10.4

(3) 相続人の経営する会社から被相続人への役員報酬

    -難しい。

(4) 評価方法

    相続開始時における給付財産の価額×裁量割合

     *事案ごとに裁量割合が決められる。

     和歌山家裁審判S59.1.25

     神戸家裁伊丹支部審判S62.9.7

(5) 確認事項

    ①相続人が主張する財産給付の実態について

     ・財産給付の時期及び期間

     ・提供した財産内容

     ・金銭等を提供するに至った事情

     ・財産提供の事実を裏付ける資料の有無

    ②被相続人との身分・扶養関係

    ③反対給付として金銭や物品を得ていればその寡額

    ④財産給付による財産上の効果

    ⑤寄与分額算定のための経済指標

 

3.療養看護型

  相続人が被相続人の療養看護を行なった場合。

(1) 要件

 ①被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与

 ア 療養看護の必要性

   ・療養看護を必要とする病状&近親者による療養看護が必要 

 イ 特別の貢献

   被相続人の療養看護必要程度とその期間。

   配偶者に対する療養看護は、協力扶助義務の関係で、看護期間、内容、要看護状態、配偶者の年齢等に照らし、社会通念上通常の監護程度超えること必要。

 ウ 無償性

   無償に近い状態。

 エ 継続性

   相当長期間にわたって継続。1年は必要では。

 オ 専従性

   寄与行為が臨時や片手間では足りない、かなりの負担を要することが必要。

 ② 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

 ア 看護費用の出費免除

 イ 精神的慰安では×

 ウ 介護保険との関係で、介護サ-ビスの限度以上に受けていると否定されることも。

 

(3) 家事援助のみの介護

    疾病の存在が前提であり、家事のみは認められない。特段の事情で援助必要な場合は認められることも。

    広島家裁呉支部審判H22.10.5-否定。

(4) 入院中の付添い看護

    完全看護病院だと、基本的には否定。医師が必要性を認めた場合は肯定できる。

    但し、付添い看護廃止しているか、要請あったか、援助必要状態か等の資料必要。

(5) まだら認知症

    必ずしも療養看護型ではないとも思えるが、徘徊見守りのような戒護に準ずる負担が通常以上に有れば認められる可能性も。

(6) 被相続人に代わってなされた療養看護

 要件:①被相続人が扶養義務を負う者に対する療養看護である

    ②被療養監護者が要扶養状態にある

    ③被相続人が扶養可能状態

(7) 特別な寄与に該当する看護

    被相続人がどのような病状、どのような療養看護必要としていたか。

    →要介護2以上の状態が必要。

  

   ・確認方法:陳述書、調査官の事実調査(但し少ない)、カルテ、介護サ-ビス利用票、日誌、手紙など。

(8) 評価方法

    療養看護行為の報酬相当額×看護日数×裁量割合

    *現在では介護報酬額を基準にすること多い。

    *寄与分の場合夜間分は乗じず、裁量割合で考慮。

    

   ・居住利益は寄与分から差し引く。

   ・第三者を雇った場合は、財産給付型の一態様と考える方が適当。    

    参考:

     広島高裁決定H6.3.8

     盛岡家裁審判S61.4.11 看護婦紹介所の協定料金の60%

     大阪家裁審判H19.2.8 1日8000円

     大阪高裁決定H19.12.6 遺産総額の15%

 

(9) 確認事項

    ①被相続人の当時の病状

    ②被相続人との身分・扶養関係

    ③療養看護を行うに至った事情

    ④療養看護の時期及び期間

    ⑤療養看護の内容

    ⑥報酬の有無、その金額

    ⑦療養看護による財産上の効果

    ⑧被相続人との同居・別居の有無

    ⑨同居の場合の住居費・生活費の負担状況

    ⑩被相続人が必要としていた具体的看護の内容

    ⑪具体的看護料に関する内容

 

4.扶養型

  相続人が被相続人を扶養し、相続財産の維持に寄与する場合。

(1)要件

 ①被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与

 ア 扶養の必要性

 イ 特別の貢献

   ・法律上の扶養義務がない

   ・扶養義務の範囲を著しく超えて扶養

 ウ 無償性

   無償に近い状態。

 エ 継続性

   相当長期間にわたって継続。

 ② 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

 ア 精神的扶養のみは×

 イ 寄与行為の因果関係

 

(2) 評価方法

    扶養のために負担した額×裁量割合

  参考:

   大阪家裁S61.1.30 認めた事例

   盛岡家裁H4.11.6

(3)寄与分審判と過去の扶養料求償に関する扶養審判の申立て

   過去の扶養料の求償を求める趣旨で寄与分審判申立て

   →許されるが、あえて寄与分審判で行う必要は原則ない。

   大阪高裁決定H15.5.22

 

(4) 確認事項

    ①被相続人の当時の生活状況・経済状況

    ②被相続人が必要とした扶養の具体的内容 

    ③被相続人との身分・扶養関係

    ④扶養を行うに至った事情

    ⑤扶養の時期及び期間

    ⑥扶養の内容

    ⑦報酬の有無、その金額

    ⑧扶養による財産上の効果

    ⑨被相続人との同居・別居の有無

    ⑩同居の場合には、同居に至った事情、同居の期間、同居中の住居費や生活費等の負担状況

    ⑪相続人らの扶養義務及び扶養能力の内容

    ⑫扶養に要した費用に関する内容

 

5.財産管理型

  相続人が被相続人の財産の管理を行った場合。

(1) 要件

 ①被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与

 ア 財産管理の必要性

 イ 特別の貢献

 ウ 無償性

   無償に近い状態。

 エ 継続性

   相当長期間にわたって継続。

 ② 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

 

(2) 評価方法

    相当と思われる財産管理費用×裁量割合

    *第三者に委託した場合の報酬額そのままは認められない。

    *使用利益は事情によって考慮。

 

   ・大阪家裁審判H6.11.2 遺産の1割を認定。

    大阪家裁審判H19.2.8 特別の寄与について否定。

    大阪家裁審判H19.2.26 資金運用は寄与分として否定。

 

(3) 確認事項

    ①被相続人の財産の状況

    ②必要と認められる具体的財産管理の内容

    ③被相続人との身分・扶養関係

    ④財産管理を行うに至った事情

    ⑤財産管理を行った時期及び期間

    ⑥財産管理の内容

    ⑦報酬の有無、その金額

    ⑧財産管理による財産上の効果

    ⑨被相続人の所有財産の無償利用の有無

    ⑩無償利用が認められる場合には、その利用料として相当と思われる金額

    ⑪財産管理に要した費用に関する内容