未来創造弁護士法人

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【第79回SUC三谷会】 平成28年度重要判例研究

こんにちは、岩﨑です。

今回は、毎年恒例の重要判例研究を行いました。

司法試験受験時代は誰もが勉強する「重判(じゅうはん)」。

直近1年間の重要判例を選んで毎年発行される「重要判例解説(有斐閣)」の略称です。

重判に掲載されている判例の中から、弁護士実務に役立つものを更にピックアップして研究しました。

 

レジュメは以下のとおりです。

平成28年度重要判例解説

(ジュリスト臨時増刊2017年4月1505号)

 

 

民法

5 保証人の主債務者に対する求償権の消滅時効事由は共同保証人間の求償権の消滅時効中断効を生じさせるか最高裁平成27年11月19日)

 

 民法465条に規定する共同保証人間の求償権は、主たる債務者の資力が不十分な場合に、弁済をした保証人のみが損失を負担しなければならないとすると共同保証人間の公平に反することから、共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであり、保証人が主たる債務者に対して取得した求償権を担保するためのものではないと解される。

 したがって、保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても、共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力が生じないものと解するのが相当である。

 

民法

第465条1項(共同保証人間の求償権)

 第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

第442条1項(連帯債務者間の求償権)

 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。

 

 

8 弁護士法23条の2第2項に基づく照会に対する報告の拒絶—不法行為の成否

 最高裁平成28年10月18日)

 

  23条照会に対する報告を拒絶する行為が、23条照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成することはないというべきである。

 

〔弁護士法〕

第23条の2 (報告の請求)

 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。

2  弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9 監督義務者・準監督義務者の意義-責任無能力者(認知症)の遺族に対する鉄道会社の損害賠償請求最高裁平成28年3月1日)

 

 (民法714条1項の)法定の監督義務者に該当しない場合であっても、責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし、第三者に対する加害行為の防止に向けてそのものが当該責任無能力者の監督を現に行いその態様が単なる事実上の監督を超えているなどその監督義務を引き受けたと見るべき特段の事情が認められる場合には、衡平の見地から民法714条に基づく損害賠償責任をとうことができるとするのが相当であり、このような者については、法定の監督義務者に準ずべき者として同条1項が類推適用されると解すべきである。

 それに当たるか否かは、その者自身の生活状況や心身の状況などとともに、精神障害者との親族関係の有無・濃淡・同居の有無その他の日常的な接触の程度など諸般の事情を総合考慮して、監督することが可能かつ容易であるなど衡平の見地からそのものに対し精神障害者の行為に係る責任を問うのが相当といえる客観的状況が認められるか否かという観点から判断すべきである。

 

 

民法

第714条(責任無能力者の監督義務者等の責任)

 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。

 

 

12 民法910条に基づく価額の支払い請求をする場合における遺産の価額算定の基準時

最高裁平成28年2月26日)

 

  • 相続の開始後認知によって相続人となった者が他の共同相続人に対して民法910条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時は、価額の支払いを請求した時であると解するのが相当である。
  • 民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払い債務は、期限の定めのない債務であって、履行の請求を受けた時に遅滞に陥ると解するのが相当である。

 

民法

第910条(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)

  相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13 遺言書全体に赤色の斜線を引く行為が民法1024条前段の「遺言書を破棄したとき」に該当するか最高裁平成27年11月20日)

 

 本件のように赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は、その行為の有する一般的な意味に照らして、その遺言書の全体を不要のものとし、そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れと見るのが相当であるから、その行為の効力について、一部の抹消の場合と同様に判断することはできない。以上によれば、本件遺言書に故意に本件斜線を引く行為は、民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきである。

 

 

民法

第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)

 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

第968条(自筆証書遺言)

 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

 

 

 

 

*商法*

4 株主割当増資と著しく不公正な方法による発行(大阪高裁平成28年7月15日)

 

募集事項等の決定に株主総会が一切関与していない、株主割当ての方法による募集株式の発行にあたっては、既存の株主にとって、会社法202条4項に基づく株主に対する募集事項等の通知のみが当該発行について知りうる機会として保障されているものであるから、この通知の目的は、既存の株主に対して、資金調達を含め、募集株式の割当てを受ける権利を行使する機会を付与することのみにとどまるものでなく、法令または定款に違反する株式発行や著しく不公正な方法による株式発行に対する差し止めの機会を付与することもまた、その目的に含まれていると解すべきである。したがって、株主に対して差し止めの機会を付与したといえない募集事項等の通知は、会社法202条4項、210条の趣旨に反し違法である。(募集株式の発行の差し止めを命じた。)

 

会社法

第202条(株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合)

  株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。

一  株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨

二  前号の募集株式の引受けの申込みの期日

2  前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。

3  第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。

一  当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定

二  当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議

三  株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議

四  前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議

4  株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。

一  募集事項

二  当該株主が割当てを受ける募集株式の数

三  第一項第二号の期日

5  第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。

 

第210条

 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。

一  当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合

二  当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合

5 議案を否決した株主総会決議の取消しの訴えの適法性最高裁平成28年3月4日)

 

一般に、ある議案を否決する株主総会等の決議によって新たな法律関係が生ずることはないし、当該決議を取り消すことによって新たな法律関係が生ずるものでもないから、ある議決を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法であると解するのが相当である。このことは、当該議案が役員を解任する旨のものであった場合でも異なるものではない。

 

会社法

第831条(株主総会等の決議の取消しの訴え)

  次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。(以下省略)

 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。

 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。

 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。

第854条(株式会社の役員の解任の訴え)

 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。

10 代表取締役就任の不実登記東京地裁平成28年3月29日)

 

① 会社法908条1項が適用されるためには、原則として、不実の登記自体が登記の申請権者の申請に基づいてされたものであることを必要とし、そうでない場合には、登記申請権者が自ら登記申請をしないまでも何らかの形で当該登記の実現に加除し、又は当該不実登記の存在が判明しているのにその是正措置をとることなくこれを放置するなど、当該登記を登記申請権者の申請に基づく登記と同視するのを相当とするような特段の事情がない限り、同条による登記名義者の責任を肯定する余地はないものと解すべきである。

② 権利者が自ら外観の作出に積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合、あるいは、虚偽の外観が作出されたことについての権利者の帰責性の程度が、上記各場合と同視しうるほど重いような場合には、民法94条2項の類推適用によって、虚偽の外観を信じたものが保護される。

 

会社法

第908条

 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。

2  故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。

 

 

 

 

 

 

民事訴訟法*

3 本訴請求債権が時効消滅したと判断されることを条件とする、反訴請求に対する同債

権による相殺の抗弁の可否最高裁平成27年12月14日)

 

 本訴において、訴訟物となっている債権の全部又は一部が事項により消滅したと判断されることを条件として、反訴において、当該債権のうち事項により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許されると解するのは相当である。

 本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断される場合には、その判断を前提に、同時に審判される反訴において、当該債権のうち事項により消滅した部分を自働債権とする相殺の抗弁につき判断をしても、当該債権の存否に係る本訴における判断と矛盾抵触することはなく、心理が重複することもない。したがって、反訴において上記相殺の抗弁を主張することは、重複起訴を禁じた民訴法142条の趣旨に反するものとはいえない。

 

民事訴訟法〕

第142条(重複する訴えの提起の禁止)

  裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。

 

民法

第508条(時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)

 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。

 

 

 

 

5 訴訟上の和解の成立を理由に訴訟終了宣言判決をした第一審判決に対する被告

  の控訴と不利益変更禁止の原則最高裁平成27年11月30日)

 

 和解による訴訟終了判決である第一審判決に対し、被告のみが控訴し原告が控訴も附帯控訴もしなかった場合において、控訴審が第一審判決を取り消したうえ原告の請求の一部を認容する本案判決をすることは、不利益変更禁止の原則に違反して許されないというべきである。

 そして、和解による訴訟終了判決に対する控訴の一部のみを棄却することは、和解が対象とした請求の全部について本来生ずべき訴訟終了の効果をその一部についてだけ生じさせることになり、相当でないから、上記の場合において、控訴審が訴訟上の和解が無効であり、かつ第一審に差し戻すことなく請求の一部に理由があるとして自判をしようとするときには、控訴の全部を棄却するほかないというべきである。

 

民事訴訟法〕第304条(第一審判決の取消し及び変更の範囲)

第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることが

できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9 再生債務者に対して債務を負担する者がその関係会社が有する再生債権を自働

  債権としてする相殺の許容性最高裁平成28年7月8日)

 再生債務者に対して債務を負担するものが他人の有する再生債権をもって相殺することができるものとすることは、互いに債務を負担する関係にないものの間における相殺を許すものにほかならず、民事再生権者間の公平、平等な扱いという上記の基本原則を没却するものというべきであり、相当ではない。このことは、完全親会社を同じくする複数の株式会社がそれぞれ再生債務者に対して債権を有し、又は債務を負担するときには、これらの当事者間において当該債権及び債務をもって相殺することができる旨の合意があらかじめされていた場合であても、異なるものではない。

 

民事再生法〕第92条(相殺権)

  再生債権者が再生手続開始当時再生債務者に対して債務を負担する場合において、債権及び債務の双方が第九十四条第一項に規定する債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、再生債権者は、当該債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。債務が期限付であるときも、同様とする。

2  再生債権者が再生手続開始当時再生債務者に対して負担する債務が賃料債務である場合には、再生債権者は、再生手続開始後にその弁済期が到来すべき賃料債務(前項の債権届出期間の満了後にその弁済期が到来すべきものを含む。次項において同じ。)については、再生手続開始の時における賃料の六月分に相当する額を限度として、前項の債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。

3  前項に規定する場合において、再生債権者が、再生手続開始後にその弁済期が到来すべき賃料債務について、再生手続開始後その弁済期に弁済をしたときは、再生債権者が有する敷金の返還請求権は、再生手続開始の時における賃料の六月分に相当する額(同項の規定により相殺をする場合には、相殺により免れる賃料債務の額を控除した額)の範囲内におけるその弁済額を限度として、共益債権とする。

4  前二項の規定は、地代又は小作料の支払を目的とする債務について準用する。

*刑法*

2 詐欺に気づいた被害者が模擬現金入り荷物を発送した後荷物受領依頼を受ける行為と

詐欺罪の共同正犯名古屋高裁平成28年9月21日)

 

  不能犯の考え方が、結果発生が不可能と思われる場合に、未遂犯としても処罰すべきか、未遂犯としても処罰すべきではないかを分ける機能を有するものであり、結果発生が不可能になる事由や時期も様々であることに鑑みれば、単独犯だけでなく、共犯の場合、それも共犯関係に後から入った場合でも、不能犯という言葉を使うかどうかはともかく、同じような判断方法を用いることは肯定されてよい。単独犯で結果発生が当初から不可能な場合という典型的な不能犯の場合と、結果発生が後発的に不可能になった場合の、不可能になった後に共犯関係に入った者の犯罪の成否は、結果に対する因果性といった問題を考慮しても、基本的に同じ状況にあり、全く別に考えるのは不当である。

 

 

 

6 2人以上の暴行のいずれかと死亡との間に因果関係が肯定された場合と同時傷害の特

例の適用の可否最高裁平成28年3月24日)

 

  共犯関係にない二人以上による暴行によって障害が生じさらに同傷害から死亡の結果が発生したという傷害致死の事案において、刑法207条適用の前提となる前記の事実関係が証明された場合には、各行為者は、同条により、自己の関与した暴行が死因となった傷害を生じさせていないことを立証しない限り、当該傷害について責任を負い、さらに同傷害を原因として発生した死亡の結果についても責任を負うというべきである。このような事実関係が証明された場合においては、本件のようにいずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定されるときであっても、別異に解すべき理由はなく、同条の適用は妨げられないというべきである。

 

〔刑法〕

第207条 (同時傷害の特例) 

二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

 

 

 

 

 

 

 

 

憲法

6 再婚禁止期間を定める民法733条の合憲性最高裁平成27年12月16日)

 

本件規定のうち100日超過部分は、遅くとも上告人が前婚を解消した日から100日を経過した時点までには、婚姻及び家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものとして、その立法目的との関連において合理性を欠くものになっていたと解される。

憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約する者として憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできず、本件立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用条違法の評価をうけるものではない。

 

【改正前 民法733条】

1 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

 二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

 

【改正後 民法733条】(平成28年6月7日公布・施行)

1 女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

2 女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

*労働法*

3 会社の歓送迎会参加後の交通事故による死亡と業務遂行性・業務起因性

  —国・行橋労基署長事件最高裁平成28年7月8日)

 

  労働者の負傷、疾病、障害又は死亡(以下、「災害」という。)が労働者災害補償保険法に基づく業務災害に関する保険給付の対象となるには、それが業務上の事由によるものであることを要するところ、そのための要件の一つとして、労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にある状態において当該災害が発生したことが必要であると解するのは相当である。本件で、Aは部長の意向等により本件歓送迎会に参加しないわけにいかない状況に置かれ、その結果、本件歓送迎会の終了後に当該業務を再開するために本件工場に戻ることを余儀なくされたものというべきであり、このことは、本件会社からみると、Aに対し、職務上、上記の一連の行動を採ることを要請していたものということができる。

 本件歓送迎会が事業場外で開催され、アルコール飲料も供されたものであり、本件研修生らを本件アパートまで送ることが部長らの明示的な指示を受けてされたものとはうかがわれないこと等を考慮しても、Aは、本件事故の際、なお本件会社の支配下あったというべきである。

2 職務等級制度における降級の効力—L産業事件東京地裁平成27年10月30日)

 

6 継続雇用制度適用労働者に対する職種変更の適法性—トヨタ自動車事件

  (名古屋高裁平成28年9月28日)

 

8 定年後再雇用制度かにおける有期契約労働者の賃金と労働契約法20条違反の

  成否—長澤運輸事件(東京高裁平成28年11月2日)

 

9 有期契約労働者(ドライバー)の手当・一時金等格差と労働契約法20条違反

  の成否—ハマキョウレックス事件(大阪高裁平成28年7月26日)