未来創造弁護士法人

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【第80回SUC三谷会】 民法改正その1

こんにちは、岩﨑です。

 

先月26日、契約の基本ルールである民法の改正法が参議院本会議で可決、成立しました。民法制定以来、約120年ぶりに債権法部分を抜本的に見直す改正となります。

SUC三谷会としてもこれまで国会審議を見守っていた(?)ところですが、この度改正法が成立したことを受け、研究テーマとして取り上げることにしました。

改正項目は多岐にわたるので、複数回に分けて学びます。

 

テキストは、山野目章夫教授の「新しい債権法を読みとく」(商事法務)を使いました。民法改正をめぐっては多くの著書が出ていますが、本書は改正を受けたタイミングで発行されたため、現時点で一番新しい情報が載っているものと思われます。山野目教授は司法試験受験生がよく使う「要件事実論30講」の編著者としてもお馴染みです。

 

本日学んだ範囲をそれぞれ1行(くらい)で下記にまとめておきます。

(次回は、「12 契約の解除」から続きを研究します!)

 

1 公序良俗

現行法90条の「事項を目的とする」が削除された。

 

2 意思能力

意思無能力の状態でした意思表示による法律行為は無効であることを明文化した。

 

3 意思表示

錯誤の効果は無効ではなく取消に変わる。

 

4 代理

表見代理について現行法の重畳適用で処理していた類型について規定が新設された。

 

5 無効および取消し

無効な行為についても原状回復義務があることを明記した。

 

6 条件

「不正に」条件を成就させた場合、条件が成就しなかったものみなす規定を置いた。

 

7 消滅時効

現行法の短期消滅時効を廃止。一般の債権は主観的起算点から5年、客観的起算点から10年に統一。不法行為に基づく損害賠償請求権は主観的起算点から3年、客観的起算点から20年。いずれも生命・身体の侵害による損害賠償請求権は例外あり。

 

8 債権の目的

善管注意義務について「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」という解釈の指針が示される。

 

9 法定利率

変動制に変わる。施行時は年3パーセント。その後は3年ごとに法務省令、法務大臣告示で定める。商事法定利率は廃止。

 

10 履行請求権等

履行不能の判断においても「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」判断する。履行の強制については民事執行法等で手続を定めることを明記。

 

11 債務不履行による損害賠償

債務不履行責任の免責事由として、「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」債務者の責めに帰することができない事由によるものであることが但し書きで規定される。賠償額の予定がある場合、裁判所がこれを増減できないという現行法定めを削除。