未来創造弁護士法人

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【第93回 SUC三谷会】 労働関係法令のポイント その1

こんにちは、岩﨑です。

夏ですね!昼間は暑い中忙しく外出している弁護士たちも、夜は集まってお勉強です。

今回のテーマは労働法。

テキストは、私が相談員として関わっている、東京圏雇用労働相談センター(TECC)発行の「労働関係法令のポイント」を使い、労働法の基本を確認しました。

http://t-ecc.jp/

http://t-ecc.jp/wp-content/themes/tecc/data/j1.pdf

 

1 労働者と使用者の定義

労働基準法と労働契約法では、「労働者」、「使用者」の定義が異なる。

労働基準法は指揮監督関係(使用従属性)に着目しているのに対し、労働契約法は労働契約の締結当事者性に着目している、というイメージです。

 

2 労働契約

①労働契約の原則

労働契約法では、信義誠実の原則(3条4項)、権利濫用(3条5項)、安全配慮義務(5条)の明文規定があります。

労働基準法は強行法規であり、同法の基準に満たない契約はその部分に関して無効となり、その部分に関しては同法に定める基準が適用されます(13条)。

②労働契約の成立・変更

労働契約も労使の合意で成立するのが原則ですが、合理的な労働条件が定められ、周知させていた就業規則で定めている労働条件は、労働契約の内容を補充する効果があります。

労働契約の変更も労使の合意が原則ですが、使用者が変更後の就業規則を周知させ、変更が合理的であるときは、労働契約の内容は変更後の就業規則の定めるところによります。

「周知」については労基法106条1項、労基法施行規則52条の2に定めがありますが、周知義務を尽くしたことを証拠化するためにはどこまで対応しておくかは実務上の問題があります。

③労働契約の期間

労働契約には、期間の定めのない契約(無期労働契約。一般に「正社員」と呼ばれるタイプ)と、期間の定めのある契約(有期労働契約。一般に「契約社員」と呼ばれるタイプ。)があります。

④期間の定めのある契約(有期労働契約)

有期労働契約を適正なものにするため、Ⅰ無期労働契約への転換(労契法18条)、Ⅱ雇止め法理(同19条)、Ⅲ不合理な労働条件の禁止(同20条)のルールがあります。

⑤労働条件の明示

使用者が労働者を雇い入れるときは、労働条件を明示しなければなりません。

どの事項を、どのような方法で明示するか(具体的には、書面を交付する方法による必要があるか)は、労基法15条1項、労基法施行規則5条を確認する必要があります。

実務上は、事項を問わず書面を交付して明示しておくのが安心です。

 

3 労働時間

法定労働時間は1日8時間、1週間40時間が原則です。

労働時間のオプションとしては、1か月単位の変形労働時間制(労基法32条の2)、フレックスタイム制(同法32条の3)、1年単位の変形労働時間制(同法32条の4)などがあります。

実際にこれらのオプションを適法に(正確に理解して)、かつ、有効に使えている会社はあまり多くないという印象があります。

 

4 休憩

労働時間が6時間を超えるときは45分、8時間を超えるときは1時間の休憩を与えなければなりません。

休憩時間は①労働時間の途中で、②一斉に与え、③自由に利用させるのが原則です。

①は労働時間の最初や最後に休憩を取ったことにして実質的には休憩なしでぶっ通しで働くのはダメということです。

②の一斉付与には例外があり、(1)業種による例外(①運輸交通業、②商業、③金融広告業、④映画演劇業、⑤通信業、⑥保健衛生業、⑦接客娯楽業、⑧官公署。労基法施行規則31条)、(2)労使協定による例外(労基法34条2項但し書き)があります。