未来創造弁護士法人 Blog

東京と横浜にある法律事務所で日々奮闘する弁護士と事務局が、気の向いたときや機嫌のいいときに更新する事務所日記です。

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【第23回SUC三谷会】 平成23年度重要判例研究

今回は、有斐閣から毎年発刊される重要判例解説の最新号を使用して、重要判例の研究を行いました。 特に実務上も問題となる判例をいくつか挙げておきます。

民法2】最判平成23年3月24日 消費者契約である建物賃貸借契約における敷引特約の効力 →敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には、特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効となると判示しましたが、賃料の2倍ないし3.5倍程度の敷引特約を有効としました。

民法3】最判平成23年7月15日 消費者契約である建物賃貸借契約における更新料条項の効力 →更新料が消費者契約法に違反するかについては下級審で様々な判決が出て注目されていましたが、最高裁は「契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、高額に過ぎるなどの事情がない限り有効である」と判示しました。ホッとしたオーナーや仲介業者が全国にどれだけいらっしゃったことでしょう。

民法14】最判平成23年2月22日 相続させる旨の遺言により相続させるとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合 →この場合、自動的に代襲相続者に相続させる趣旨と解釈する余地がないわけではないですが、最高裁は諸事情からそのような意思であると見るべき特段の事情がないかぎり、遺言は無効であると判示しました。 推定相続人が先に死亡した場合も想定して遺言を作成するか、事情が変更したら速やかに遺言を作り直すべきということですね。

【民訴法8】最判平成23年9月20日 全店一括順位付方式による預金債権差押命令の申立と差押債権の特定 →取扱店を番号順に指定する全店一括順位付方式については、迅速に特定できず債権の特定に欠けるとして却下しました。 ただし、その後東京高裁決定平成23年10月26日(判時2130-4)は、取扱店を預金額淳に指定する預金額最大店舗指定方式について、弁護士法による照会を拒否(債務者の同意なし)していることなどを理由に認めました。今後の動向が注目されます。

次回からは民事再生法の研究に入ります。