弁護士は、税務の専門化とはいえず、いざというときは税理士さんの助けを借りることになりますが、弁護士業務にかかわる税務のアウトラインについては知っておく必要があります。
しかし、以外と知る機会が少ないし、知らない弁護士が多いのです。
ということで、今回は、弁護士業務に隣接する税務について横断的に研究をしました。 今回もとても充実した研究になったと思います。
●設問1------------------------------------------------------------------------- 甲が乙に、その所有する不動産を譲渡した。 この際の甲と乙にかかる税金について。
●設問2------------------------------------------------------------------------- 離婚に際し甲男が乙女に財産分与や慰謝料支払いをした。 この際の甲と乙にかかる税金について。
●設問3------------------------------------------------------------------------- 父親が事業を行っており、それなりの財産を形成している。 長男である自分が事業を承継する予定であるが、将来弟と妹がおり、相続で争いになるのが目に見えている。このため父に遺言を書いてもらうことも考えているが、より確実に必要な資産の承継を受けるため、生前贈与も考えている。しかし、税金のことが気になっているのだが、生前贈与を受けるのと、遺贈を受けるのでどのような違いがあるのか。
●設問4------------------------------------------------------------------------- 被相続人X死亡 相続人は妻、長男、長女の3名 遺産は、 ①不動産 ・自宅土地建物 時価5000万円 ・賃貸用アパート 時価4000万円 ②預貯金 3000万円 そのほかに、 生命保険金 5000万円 死亡退職金 2500万円を受け取り 長男は被相続人死亡の2年前に土地(3000万円)の生前贈与を受けていた。 負債は、死亡時1500万円 葬儀費用に400万円かかった。香典で300万円を受け取ったが香典返しで150万円を支払った。 相続税が現金で支払えない場合、不動産を売却するかその他の方法を考えなければならない。 被相続人それぞれの税額や手続は?
●設問5------------------------------------------------------------------------- 甲は、知人に2000万円の貸し付けをするにあたり、その知人が所有する不動産を担保にすることしたいが問題ないかと、あなたに相談しています。 その土地の登記簿を確認したところ、先順位担保権者はおらず、登記はきれいです。あなたは、どのようなことに気をつけて、どのようなアドバイスをしますか。
●設問6------------------------------------------------------------------------- 顧問会社が、数年前に1000万円出資して取得した会社の株式を、紛争の解決としてその会社の社長個人に譲渡しようと考えている。 この際に考えなければならない、譲渡会社である顧問先の税務上の問題としてはどのようなものがあるか。
●設問7------------------------------------------------------------------------- あなたは、クライアントの借金について、債権者会社と長期分割で返済する旨の交渉をしているが、債権者会社は「破産にしてもらって構わない」と、なかなか応じようとしてくれない。 破産になって配当がほとんどないより、少しでも、少しずつでも弁済があった方がいいはずなのに、債権者会社が長期分割の和解に応じてくれないのはなぜか。
●設問8------------------------------------------------------------------------- (1) クライアントがあなたに支払った弁護士費用は、税務上必要経費となるか。 (2) 破産管財人は、破産会社の確定申告をしなければならないか。