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未来創造弁護士法人(横浜・藤沢の法律事務所)

横浜(本店)と藤沢(支店)にある法律事務所で日々奮闘する弁護士とスタッフが、気の向いたときや機嫌のいいときに更新する事務所日記です。

【未来創造弁護士法人 3つのモットー】

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【第56回SUC三谷会】 最新判例研究(平成26年重要判例)

毎年1回、恒例の最新判例研究。
今回は、岩崎弁護士が質量共に素晴らしいプレゼンをしてくれました。

安全配慮義務と過失相殺
・嫡出推定と親子関係不存在
・性別変更と嫡出推定
・認知者による認知無効の主張
監査役代表取締役を解任する責任があるか
・派遣先の労組法上の使用者性
など、時代を反映した判例が盛りだくさんでしたね。

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第56回SUC三谷会 平成26年度重要判例解説
ジュリスト臨時増刊2015年4月1479号)

行政法
6 対象文書を保有していないこと(不存在)を理由とする不開示決定の取消訴訟における主張立証責任
沖縄返還協定の締結に至る,日本国とアメリカ合衆国との間の交渉(返還等に伴う財政負担等をめぐるもの)に関する行政文書の公開請求に対し,財務大臣及び外務大臣が開示拒否したことについて開示請求拒否処分取消等請求した事案において,①不開示決定時に行政機関が文書を保持していたことについては原告が主張立証責任を負う,②不開示決定時点において,行政機関が文書を作成し取得したことが立証されても,決定時に行政機関が文書を保有していたことを直接立証できないときに,これを推認するには,文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきであり,特に公にされる他国との信頼関係が損なわれるおそれのある外交文書については,保管の体制や状況等が通常と異なる場合も想定されることを踏まえて判断すべきである,とした上で,本件は文書の性質や内容及び作成の経緯,作成決定時までに経過した年数,外務省及び財務省における保管の体制や状況等に関する調査の結果等に照らし,決定時に文書が保管されていたとは推認できない,とした。(最判H26.7.14)

7 国立大学法人に対する文書提出命令の申立てと民訴法220条4号二括弧書部分の類推適用
(民訴法3と同一)
◎ハラスメントの苦情を申し立てた教員が,ハラスメントの防止,対策又は調査に係る委員会の運営及び調査が不当であったとして大学に対し調査(再調査)の実施と損害賠償等を請求した訴訟において,委員会議事録等の文書提出命令を申し立てた事案において,①国立大学法人に対する国の関与,役員及び職員が罰則の適用につき公務に従事する職員とみなされること,国立大学が保有する情報について独立行政法人情報公開法の適用を受けることを踏まえ,国立大学法人が所持し,役員又は職員が組織的に用いる文書についての申立てにては,民訴法220条4号二括弧書が類推適用され,②国立大学法人の役員及び職員の地位に関する国立大学法人法の規定に照らすと,民訴法220条4号ロにいう「公務員」には同法人の役員及び職員も含まれる(最決H25.12.19)。

民法
1 権利能力なき社団の構成員全員に帰属する不動産についての所有権移転登記請求権
(民訴法2と同一)
◎権利能力のない社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産については,当該社団の代表者が自己の個人名義に所有権移転登記手続をすることが認められているが,このような訴訟が許容されるからといって,当該社団自身が原告となって訴訟を追行することを認める実益がないとはいえない。権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する(最判H26.2.27)。

2 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合と民法158条1項の類推適用
◎精神上の障害により事理弁識能力を欠く状況にある者は、少なくとも時効完成前に後見開始申し立てをしていれば、時効完成時に後見開始前であっても民法158条1項が類推適用される。
(未成年者又は成年被後見人と時効の停止)
第百五十八条  時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。
2  未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。

3 遺産共有持分と他の共有持分が併存する共有を解消するために裁判上採るべき共有物分割の方法
◎遺産共有持分と他の共有持分が併存する共有の場合、遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係を解消するためには共有物分割訴訟による。共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与された財産は遺産分割の対象になる。
遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ、その者に遺産共有持分の価格を賠償させてその賠償金を遺産分割の対象とする価格賠償の方法による分割の判決をする場合には,その判決において,各遺産共有持分権者において遺産分割がされるまで保管すべき賠償金の範囲を定めた上で,遺産共有持分を取得する者に対し,各遺産共有持分権者にその保管すべき範囲に応じた額の賠償金を支払うことを命ずることができる(最判H25.11.29)。

4 安全配慮義務違反を理由とする損害賠償における過失相殺
労働法5と同じ)
安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求において、メンタルヘルスに関する情報は、プライバシーに属する情報であり、人事考課に影響し得る事柄として、通常は職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質の情報であり、労働者が使用者にこれを申告しなかったことをもって過失相殺できない(最判H26.3.24)。

5 金銭消費貸借契約において約定分割返済額を超えて支払があった場合の充                当
◎約定分割返済額を超えて支払いがあったときは、特段の事情がない限り、支払時点の残債務に充当され、将来発生する債務には充当されない(最判H26.7.24)。

6 投資信託受益権の販売銀行がその解約金支払債務を受動債権としてする相 殺
(民訴法10と同一)
◎再生債務者Xが,その支払の停止の前に,投資信託委託会社と信託会社との信託契約に基づき設定された投資信託の受益権をその募集販売委託を受けた再生債権者Yから購入し,上記信託契約等に基づき,上記受益権にかかる信託契約の解約実行請求がされたときにはYが上記信託会社から解約金の交付を受けることを条件としてXに対してその支払い債務を負担することとされている事案において,①上記解約実行請求は,YがXの支払の停止を知った後にされた,②Xは,Yの振替口座簿に開設された口座で振替投資信託受益権として管理されていた上記受益権につき,原則として他の振替先口座への振替ができた,③Yが,自らが有する債権を自働債権とし,上記支払債務を受働債権とする相殺をするためには,他の債権者と同様に,債権者代位権に基づき,Xに代位して上記解約実行請求を行うほかなかったことがうかがわれるなどの事情のもとでは,Yがした債権者代位権に基づく解約実行請求により,Yが,Xの支払の停止を知った後に上記解約金の交付を受け,これにより上記支払債務を負担したことは,民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるとはいえず,Yが有する再生債権を自働債権とした上記支払債務にかかる債権を受働債権とする相殺は許されない(最判H26.6.5)。
(相殺の禁止)
第九十三条  再生債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
一  再生手続開始後に再生債務者に対して債務を負担したとき。
二  支払不能(再生債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下同 じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら再生債権をもってする相殺に供する目的で再生債務者の財産の処分を内容とする契約を再生債務者との間で 締結し、又は再生債務者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより再生債務者に対して債務を負担した場合で あって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
三  支払の停止があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
四  再生手続開始、破産手続開始又は特別清算開始の申立て(以下この条及び次条において「再生手続開始の申立て等」という。)があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、再生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。
2  前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
一  法定の原因
二  支払不能であったこと又は支払の停止若しくは再生手続開始の申立て等があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因
三  再生手続開始の申立て等があった時より一年以上前に生じた原因

7 不法原因給付に当たるとの主張と信義則
◎無限連鎖講の出資者が得た利益は、配当組織が破産し管財人から返還請求を受けた場合、返還しなければならない。不法原因給付を理由に返還を拒むことは信義則上許されない(最判H26.10.28)。

8 夫と嫡出推定を受ける子との間の親子関係不存在確認の訴えの可否
◎妻の懐胎時に事実上の離婚などの事情がない事案において,夫と子との生物学上の父子関係がないことが科学的証拠により明らかで,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されている事情があっても,嫡出推定が及び,親子関係不存在確認の訴えはできない。訴え却下(最判H26.7.17)。

9 性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子についての嫡出推定
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に従い生物学的な女性から男性に性別を変更した者と婚姻した女性が、精子提供を得て懐胎、出産した場合、嫡出推定の適用を受ける(最決H25.12.10)。

10 認知者による認知無効の主張の可否
◎認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合であっても、自らした認知の無効を主張できる(最判H26.1.14)。
※無効主張を権利濫用により制限することも可能である旨の言及あり。具体的にどのような場合が権利濫用に当たるとされるかは言及なし。

11 共同相続された投資信託受益権および個人向け国債の帰属
◎亡Aの遺産として国債投資信託受益権、株式があり、相続人はXらとYの4名(法定相続分各4分の1)。遺産分割の審判で各持分4分の1の割合で共有する内容の審判が確定。その後、Xらが共有物分割請求訴訟を提起した事案(原審は訴え却下)において,株式,投資信託受益権,国債は,当然分割されることがないものか、そう解する余地のあるものであるから、最終的な帰属は遺産分割によって決せられるべきであり,本件国債等は本件遺産分割によって各持分4分の1の割合による準共有となったことになり,共有物分割請求訴訟は適法,とした(最判H26.2.25)。

12 共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者による遺産確認の訴えの可否
(民訴法1と同一)
◎自己の相続分の全部を譲渡した者は、遺産確認の訴えの当事者適格を有しない(最判H26.2.14)。

【商法】
3 監査役の任務懈怠責任
監査役は,取締役に対する業務監査権限に基づく善管注意義務の一環として,取締役がリスク管理体制を構築する義務を果たしているか,構築したリスク管理体制が妥当なものであるかについて監視することが義務づけられており,会社において,リスク管理体制が構築されていない場合や,これが構築されているとしても不十分なものである場合には,取締役に対して,適切なリスク管理体制の構築を勧告すべき義務を負う。一定の場合には,監査役には代表取締役からの解職及び取締役解任決議を目的事項とする臨時株主総会を招集することを勧告すべき義務もある(大阪地判H25.12.26)。
※事案の結論としては,取締役会へ意見書を提出して注意喚起,反対表明していたこと等を踏まえ,重過失は認められないとして責任限定契約を適用した。

5 会社に対する取締役の任務懈怠責任と遅延損害金の利率
◎平成17年改正前商法266条1項5号(会社法423条に相当)に基づき取締役が会社に支払う損害賠償の遅延損害金の利率は年5分(最判H26.1.30)。

7 代表訴訟により追及できる役員の責任の範囲
◎株主Xが,顧問・取締役・監査役であったYらの責任追及のため,訴え提起に先立ち行った提訴請求には,Y2の役員退任後の顧問としての責任(民法415条),Y3の取締役としての責任への言及はあったが,Y2の取締役としての責任及びY3の監査役としての責任への言及がなかった。その後Xは改めてこれらの責任および予備的請求にかかる責任につき提訴請求を行った上で,予備的請求につき訴えの追加的予備的変更をした事案において,①代表訴訟の提起前の提訴請求を欠いている場合であっても,会社が訴えの提起の機会を放棄しているものとみることができる場合にまで,提訴請求の欠缺を理由に株主代表訴訟の提起を不適法とする理由はない,②会社法847条3項に基づく「責任追及等の訴え」は「役員等…の責任を追及する訴え」等に限られ,退任後に会社に対して負担することに債務についての責任は「役員等…の責任」に含まれないから同条項に基づく訴えは不適法である,③株主代表訴訟において訴えの変更により予備的請求を追加する場合には,変更後の新請求は新たな訴えの提起に当たるから,変更後の訴えについての提訴請求の有無は,原則として訴え変更時を基準とすべきであり,当該予備的請求を追加するためには,会社に対し,訴え変更前に提訴請求をする必要がある(東京高判H26.4.24)。

12 目的物が盗難車である売買契約と商法526条
◎商人間の中古自動車の売買がなされた後,売主が所有権を有していなかったことが判明したことから,買主が売主に対し民法561条の担保責任を追及したのに対し,売主が,所有権がないことは商法526条2項の「瑕疵」に当たり,受領後6か月経過しているから担保責任は追及できないと争った事案において,商法526条2項の「瑕疵」とは,売買の目的物自体の物の瑕疵を指し,売主に所有権その他処分権限がないなどの権利の瑕疵は含まれない,として担保責任を認めた(東京地判H25.6.6)。

【民訴法】
5 会社解散判決に対する第三者の独立当事者参加による再審の訴えと請求の提出
◎株主が提起した会社解散の訴えにおいて会社が請求原因を争わず請求認容判決が確定したことについて,利害関係人Xが会社解散の訴えはなれ合い訴訟であり,独立当事者参加が可能であったのに審理の機会を奪われたとして確定判決につき再審請求した事案(原決定は請求棄却)につき,独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加申出は許されないとした上,本件では①Xは株主の会社に対する請求に対して請求棄却を求めるのみで株主又は会社に対し何らの請求も提出していない,②再審訴状には,解散事由が存在しないことの確認を求める旨の記載があるが,事実の記載を求める訴えは確認の利益を欠く,したがって独立当事者参加は不適法であり,Xは再審の訴えの原告適格を欠くから,訴え却下(最決H26.7.10)。

6 借地借家法に基づく賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の確定判決の既判力
◎賃料増減額確認請求訴訟の確定判決の既判力は,原告が特定の期間の賃料額について確認を求めていると認められる特段の事情のない限り,前提である賃料増減額請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生じる(最判H26.9.25)。

8 非免責債権であることを理由とする破産債権表についての執行文付与の訴えの可否
◎確定した破産債権者表は債務名義となるが(民執法22条7号,破産法221条1項),破産債権者表に基づいて実際に強制執行をする場合,執行文付与の訴えによることはできない。執行文付与の訴えの審理対象は,民事執行法33条1項に規定されたものに限られており,破産債権者表に記載された確定した破産債権が非免責債権に該当するか否かを審理することを予定していないからである(最判H26.4.24)。
※傍論で,破産事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官は,破産債権者表の免責許可の決定が確定した旨の記載がされている場合であっても,破産債権者表に記載された確定した破産債権がその記載内容等から非免責債権に該当すると認められるときには,民事執行法26条の規定により執行文を付与することができるのであるから,上記破産債権を有する債権者には殊更支障が生ずることはない,と述べた。

労働法
2 海外ツアー添乗員に対する事業場外労働みなし制の適用の可否 阪急トラベルサポート(第2)事件
◎あらかじめ定められた日程に沿った旅程管理等の業務を指示した上で,変更の必要が生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとされている等の事情の下では。添乗員の勤務状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く,労基法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらない(最判H26.1.24)。

3 妊娠による軽易業務転換請求を理由とする降格の違法性 広島中央保険生活協同組合事件
◎副主任の職位にあった労働者が妊娠中の軽易業務への転換を請求し,副主任を免ぜられ,育児休業終了後も副主任に任ぜられなかったことから,副主任からの降格を均等法9条3項違反で無効と主張し,管理手当と損害賠償を請求した事案において,①女性労働者に対する妊娠中の軽易業務への転換を契機とする降格は原則として均等法9条3項の不利益取扱いに当たり違法無効である,②ただし,(ⅰ)労働者が自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する場合や,(ⅱ)降格措置以外の軽易業務転換させることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保等の業務上の必要性から支障があり,降格措置が均等法9条3項の趣旨目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在する場合は不利益取扱いにあたらない(最判H26.10.23)。
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第九条  事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2  事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3  事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項 の規定による休業を請求し、又は同項 若しくは同条第二項 の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4  妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

8 会社更生手続の下で行われた整理解雇の効力 日本航空(客室乗務員)事件
◎更生手続の下で更生管財人がした整理解雇についても,労働契約法16条が適用され,いわゆる整理解雇法理も適用される。会社更生法に基づく更生計画案は,更生会社の当面の破綻を回避するにとどまらず,破綻原因を除去して更生計画を確実に遂行することができる業務体制の確立を図るものとして,そのために必要な諸施策を織り込んで作成することが同法の目的に適うものであることに十分配慮した上で人員削減の必要性を判断するのが相当である(東京高判H26.6.3)。

10 派遣先の労組法上の使用者性 阪急交通社事件
◎派遣元労働者が加入する労働組合が行った労働時間管理をめぐる団交申し入れを派遣先企業が拒否した事案について,派遣先企業が派遣法に基づき,使用者として労基法上の責任を負う労働時間,休憩,休日等の規定に違反し,かつ,部分的とはいえ雇用主と同視できる程度に派遣労働者の基本的な労働条件等を現実的かつ具体的に支配・決定している場合は当該労働条件限りで労組法7条の使用者に該当する。本件団交事項のうち労働時間管理に関する事項(会社が事業場外労働みなし制によることなく,実労働時間を把握・算定すべきであるとの要求事項)は,派遣先が雇用主と同視できる程度に基本的労働条件を支配・決定している場合に当たるとして,派遣先の使用者性を認めた(東京地判H25.12.5)。
※労組法上の使用者の意義については朝日放送事件(最判H7.2.28)を引用。