未来創造弁護士法人 Blog

東京と横浜にある法律事務所で日々奮闘する弁護士と事務局が、気の向いたときや機嫌のいいときに更新する事務所日記です。

【未来創造弁護士法人 3つのモットー】

1 依頼しなくてもOK 気軽に相談していただけます!
2 スピードは価値 早期解決を最優先します!
3 お客様の希望をじっくり聞きます!専門家の意見をしっかり伝えます!


【第1回SUC三谷会】 勉強会立ち上げました

弁護士が商売道具とする「法律」は、厄介です。 法律は日々改正されますし、判例も日々更新されます。 私は学生に「六法を毎年買い替えるのは常識です」と言いますが、当たり前の話なのです。 日々の業務に負われ、この「更新作業」を怠ることがないように、後輩弁護士達に協力願い、日々の研鑽を目的とした勉強会を立ち上げました。 SUCは、スキルアップサークルの略です。 第1回は判例研究。平成10年の重要判例の研究です。 非常に有意義な会となりました。今後も定期的に開催です。

SUC三谷会第1回 平成10年度重判 2010.10.14滝島

民法3 仮差押による時効中断の効力(最三H10.11.24) 仮差押えによる時効中断の効力については,仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続する。本案の勝訴判決が確定しても仮差押による時効中断の効力は消滅しない。

民法4 通行地役権の登記欠けつを承役地の譲受人が主張できない場合(最二H10.12.18) 通行地役権者が承役地の譲受人に対して登記なくして通行地役権を対抗できる場合には,通行地役権者は譲受人に対して地役権設定登記手続きを請求することができる。

民法6 抵当権者による物上代位件の行使と目的債権の譲渡(最二H10.1.30) 民法304条1項の趣旨目的に照らすと,同項の払渡又は引渡には債権譲渡は含まれず,抵当権者は,物上代位の目的が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても,自ら目的債権を差し押さえて物上代位件を行使することができる。

民法10 共同不法行為者の一人に対する債務免除の効力と求償関係(最一H10.9.10) 共同不法行為者の一人甲と被害者丙との間で成立した訴訟上の和解により,甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに,丙が甲に対し残債務を免除した場合において,他の共同不法行為者乙に対しても残債務の免除の効果が及ぶときは,甲の乙に対する求償金額は,確定した損害額である右訴訟上の和解における甲の支払額を基準とし,双方の責任割合に従いその負担部分を定めてこれを算定すべきである。

民法13 内縁夫婦による共有不動産の共同使用と一方死亡後の利用関係(最一H10.2.26) 共有者は,他の共有者との協議を経ずに当然に共有物を単独で使用する権原を有するものではないが,共有者間の合意により共有者の一人が共有物を単独で使用する旨を定めた場合には,右合意により単独使用を認められた共有者は,右合意が変更され,または共有関係が解消されるまでの間は,共有物を単独で使用することができ,右使用による利益について他の共有者に不当利得返還義務を負わない(内縁の夫婦が共有不動産を居住・事業に共同使用してきた事案で,特段の事情のない限り,一方の死亡後は他方が単独で使用する旨の合意が成立していたと認めた。)。

民法14 書留内容証明郵便の不在返戻と意思表示の到達(最高一H10.6.11) 遺留分減殺の意思表示がなされた内容証明郵便が留置期間の経過により差出人に還付された場合において,その意思表示は社会通念上受取人の了知可能な状態に置かれ,遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められた事例。

⑺民訴2 遺言執行者の被告適格が否定された事例(最二H10.2.27) 遺言によって特定の相続人に相続されるものとされた特定の不動産についての賃借権確認請求訴訟の被告適格を有する者は,遺言執行者があるときでも,遺言書に当該不動産の管理および相続人への引渡しを遺言執行者の職務とする旨の記載があるなど特段の事情のない限り,遺言執行者ではなく,右の相続人である。

⑻民訴3 取締役解任の訴えの被告適格(最二H10.3.27) 取締役解任の訴えは,会社と取締役の双方を被告とすべき固有必要的共同訴訟である。

⑼民訴6 建物の賃料債権の差押後に建物を譲り受けた者が賃料債権の取得を差押債権者に対抗することの可否(最三H10.3.24) 建物の賃料債権の差押後に建物が第三者に譲渡された事案で,建物の譲受人は賃貸人の地位の移転に伴う賃料債権の取得を差押債権者に対抗することができないとした。

⑽商法4 株主代表訴訟の提起が被告取締役等に対する不法行為にあたらないとされた事例(東地H10.5.25) 提訴者の悪意が疎明されて担保提供を命じられたとしても,同訴訟そのものの違法性は改めてその成立要件を検討すべきである。

(11)商法8 遺言による生命保険金受取人変更の可否(東高H10.3.25) 遺言により生命保険受取人の変更ができるかどうかについて,高裁段階で初めて肯定。

⑿経済5(H10.7.30勧告審決) コンビニエンスストアが優越的地位を利用して,日用雑貨品納入業者に対し割戻予算達成のための金銭提供及び1円納入の要請をしたことが一般指定14項の優越的地位の濫用にあたるとされた(ローソン事件)。

⒀行政1 宅地建物取引業保証協会の法的性質と権限の限界(最一H10.6.11) 宅地建物取引業法に基づく弁済業務保証金制度について。