身に覚えのない抵当権設定契約
ある日突然、全く身に覚えがないのに、「抵当権設定契約に従って、不動産に抵当権を設定せよ」という訴訟を起こされたらびっくりしますよね?
先日、そんな訴訟を起こされびっくりされた方に依頼されていた訴訟の判決がありました。
依頼者はご高齢の方。
親族から、「この紙に住所と氏名を書いて、実印を押してもらえれば助かるから。」とだけ言われ、よく分からないまま言われたとおりにしました。渡された紙は白紙だったこともあり、あまり重大なこととは思わなかったそうです。
ところが。後日、白紙部分に抵当権設定に関する文言が書き加えられ、どこから入手したのか印鑑登録証明書まで添えられた抵当権設定契約書が出来上がっていました。
訴訟では、依頼者の署名をさせられた当時の状況、抵当権設定契約書の記載や設定契約の相手方の行動の不自然さ等を指摘することにより、裁判所に「抵当権設定契約を締結する意思が不存在であった」ことが伝わり、勝訴することができました。
「形だけだから」という言葉を信じたり、内容をよく読まないままサインした、という反論は通常認められるものではありません(クーリング・オフできる契約は別ですが。)。
法律的な書類に「形だけ」のものなどありません。
署名を求められた場合には、予め弁護士に相談するくらいの慎重さがあってもいいかもしれませんね。
(アソ弁)
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