不服申立の期間
不服申立。
弁護士としてできればやりたくない仕事ですね。裁判に負けたということですから。
しかし、想定外の負けは痛いですが、負けると分かっていても、あるいは負ける可能性が高いと思っても引き受けるべき事件もあります。
10年の弁護士生活で、不服申立は10回ぐらいしたでしょうか。日々裁判をしているのですから、年1回ペースは少ないと思いますが。
日本の裁判が三審制をとっていることは、公民の授業で習いましたよね。
地裁判決に対しては「控訴」、高裁判決に対しては「上告」をして最高裁の判断を仰ぎます。
一方、地裁の決定・命令に対しては「抗告」「即時抗告」、高裁の決定・命令に対しては「特別抗告」という手続があります。
当然ながら、不服申立には期限があります。
「控訴」「上告」は2週間ですが、「即時抗告」は1週間、そして「特別抗告」は5日以内にしなければなりません。特に、決定は判決と違いいつ出されるか分からず、突然決定書が送達されてきますから、どうしてもその後が忙しくなってしまいます。決定書をコピーして依頼者に送付し、見ながら特別抗告するか打ち合わせをし、書類を作成して裁判所に提出するまでを5日で終えなければならないのですから。
なお、この期間の計算は、正確には以下のように行います。
①決定の日からではなく、決定書の送達のあった日から数えます。決定から送達までに2日たっているなんてこともありますからね。
②初日不算入【民法143条】例えば3月1日に送達されて5日間の期限だとすると、3月6日中に提出すればセーフです。
③期間の末日が土日祝日(と年末年始)の場合には、その翌日が満了日となります【民訴法95条】上記の例で3月6日が土曜日だとしたら、3月8日中に提出すればセーフです。
この期間を間違えると大問題ですから、注意しましょう。
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