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「ヒトとサルのあいだ 精神(こころ)はいつ生まれたのか」 吉田脩二 (文藝春秋) ★★★★

ヒトとサルのあいだ―精神はいつ生まれたのか

ヒトとサルのあいだ―精神はいつ生まれたのか

  • 作者: 吉田 脩二
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 単行本
精神科医の著者が、「人間は一体何者なのか」という根源的な問いに挑んだ1冊。人間の最大の特徴である「精神(こころ)」がどのように生まれ、発達してきたかを解き明かそうと試みています。 うまく言えないけどとっても読み応えのある、お薦めの一冊。小さい子供の子育て中の方は、さらに興味を引かれるではないでしょうか。 おもしろさがうまく伝えられないので、以下、印象に残った文章をそのまま抜粋します。 オランウータンの赤ん坊の代理母を務めた経験は、自分の本当の赤ん坊の母親になることには役立たなかった。オランウータンと人間の赤ん坊は、その欲求と能力において全く違った。オランウータンは生まれつきものをつかむ能力がある。オランウータンの赤ん坊はある程度自分自身の面倒を見ることができる。生後9,10ヶ月経って、ようやく人間の赤ん坊は生まれたてのオランウータンの状態に追いつくのだ。 (←脳が発達し、脳が大きくなりすぎると、胎児が産道を通らなくなり、母子共に生命の危険を生じる。そこで、人間は未熟児の子供を産み、生後9ヶ月でやっと、他のほ乳類の新生児並みの能力が備わるようになる) 仮想的現実を生きる乳幼児はできもしないのにできるという全能を持つことによって生存可能となったのです。これこそが精神の源泉というべきものなのです。もしオモチャが手の届かないところにいってしまうと泣き声を上げて母親を動かそうとします。 人類は不可能に敢えて挑戦するというこの「全能因子」を持つことによって「精神」が生まれたのです。それによって空を飛び、高速で走り、深海に潜ることが可能になったのです。人類以外の生き物は決して不可能に挑戦することはなく、それぞれの能力にあったことだけしかしません。 なぜヒトは不可能なことに挑戦したがるのか。困難を敢えて設定して、それを克服しようとするのは、本来生き物にとって何の意味も持ちません。命の危険が待っているだけだからです。 たとえば体力が衰えた横綱にとって引退の時期を見極めるのは至難の業です。そもそも困難を克服して頂点に上り詰めた横綱にとって、現在の苦境はまさに克服すべき状況であるからです。 今、自然の風景に感動してそれを表現しようとします。その感動とは目の前の風景をアナログ的にとらえるところから来ています。その風景を正確に書こうとすればするほど、当初の感動は姿を消してしまいます。それはアナログ的に見ていた風景が描くことによってデジタル化されてしまうからです。きれいと美しい歯全く違う概念なのです。 (ママのメガネやパパのひげばかりが強調される)子供の絵が面白いのは、自分にとって意味のあるものだけを描いて、他の情報はノイズ処理をしているからです。ありのままではなくあるがままなのです。 たとえばうつ病性格として律儀、几帳面、時間厳守、仕事熱心、責任感、礼儀正しいなどがあげられます。彼らは優れた社会人ですが、脳のデジタル化が過度となり生きて行きにくいと感じているのです。 人間は、死んでいくという現実は避けることはできません。しかし、その一方で、人間は死ぬことを知っているからこそ今を生きることができるともいえます。もし永遠の命を持っていれば、怠け者で、不道徳で、やりたい放題かも知れません。「死」こそが人間らしさを生む原動力なのです。 しかし同時に「死」こそ私たちにとって最大の恐怖でもあるのです。人間は、過去・現在・未来を仮想的にさまよい続けることで生きています。そんな人間にとって「死」は未来を閉ざすものにほかなりません。