離婚調停は自分でできますか?
「離婚調停をしたいのですが、自分でできますか?」
「離婚調停を申し立てられたのですが、自分でできますか?」
というご質問をよく頂きます。
法律上、離婚調停をするのに弁護士に依頼する必要はないので、そういう意味では「ご自身でできますよ」ということになります。でも、“法律上自分でできる”ということと“実際上自分でできる”ということは違いますよね。
調停では、
①自分の考えを調停委員に整理して伝える
②相手方の出方に応じた対応を考える
③全体的な解決として、どのようにするのが最良なのかを考える
④調停で終わらず訴訟になった場合にどういう結論になるかを考える
ということが求められます。双方言い分があるでしょうから、場合によっては妥協を求められることもあります。そのときに、「そんな条件が飲めるか!」と言って席を蹴るのは簡単ですが、ここでは、早期に解決することによる精神的・経済的な負担の軽減や、裁判になった場合に自分の主張が認められる可能性がどれだけあるのかということも考慮した上での対応が求められます。精神的にタフな人でも、平常心を保ちながら一人で戦い、冷静に判断するというのはかなり大変だと思います。
離婚事件が終了した後、多くの依頼者の方から、「とにかくホッとしています。」、「離婚のことを考えるだけで仕事が手に付きませんでしたので、自分一人だったら精神的に持たなかったと思います。」、「ちょっとしたことでも直ぐに相談できて心強かったです。」という感想を頂きます。
離婚には想像以上に体力と精神力が必要です。ですから、「調停もできれば弁護士に依頼された方がいいですね」というのが私の答えです。
(兄弟子)