設問12 (11月5日検討予定)
※来週10月29日は早慶戦が予定されていますので、天候にかかわらずお休みです。
次回は11月5日(土)です。
1
YとAが共有する土地の上に、YがAの承諾を得て建物を所有していた。Yは土地に対する自己の共有持分の上にBのための抵当権を設定し、これが実行されてXが買い受け人となった。その後、XとAの間で共有物分割の協議が調わず、Xの申立により本件土地の競売がなされてXが競落し、単独所有権を取得した。Xは土地上に建物を所有するYに建物収去・土地明渡を請求することができるか。
2
YとAが共有する土地上に、YとBが共有する建物が建っていた。Yの債務を担保するために土地のY・A持分全てにGのために抵当権が設定された。この抵当権が実行された場合、法定地上権は成立するか。
上記でAがYの養子で、実質的にはYの単独所有に近い事例だった場合はどうか。
3
土地と建物がいずれも甲乙の共有に属する場合、土地の甲の共有持分のみに抵当権が設定されており、この抵当権が実行されたとすると法定地上権は成立するか。
4
Aの所有する土地上にABの共有する建物がある。Aは土地にGのための抵当権を設定した。抵当権が実行された場合、法定地上権は成立するか。
5
GはSが所有するマンション(1室)に抵当権の設定を受けた。その後SはGに対し約定通りに債務の支払いができなくなるや、この部屋の抵当権が実行されるのを阻止するため、抵当権の価値が下がることを企図して、筋悪のTに部屋を賃貸し、現在Tが占有している。
この場合、GはTに対し、抵当権侵害を理由として、占有をGに明け渡すよう請求できるか。
また、GはTに対し、執行妨害目的の占有によって抵当権を侵害されたとして不法行為に基づき賃料相当損害金の賠償を求めることができるか。
6
Gのための抵当権が設定されているAの所有する劇場の建物から、Aが備え付けの照明器具等高価な舞台設備(建物の従物として抵当権の効力が及ぶ)の搬出をする動きがある。Gとしては、搬出前にこれを阻止することができるか。また、すでに搬出された器具について返還を求めることができるか。
7
Aの所有する土地にGのために抵当権が設定されている。被担保債権額は1億円であるが、不景気により土地の価値が下がったため、今競売にしても、6000万円程度でなければ落札者は現れない見込みであった。Bは、この土地が安全確実に手に入るのであれば、7000万円まで支払っても良いと考えている。そのためにはどのような方法が考えられるか。
【ヒント】
大判昭和6年10月21日 民集10-913