反対尋問の難しさ
こんにちは。
今年も残すところ僅か。ラストスパートです。
さて、先日、交通事故訴訟の判決がありました。
過失割合が争点となっていたため、判決に先立ち、証人(本人)尋問を実施しました。
尋問は、その証人を申請した側が行う主尋問、他方の側が行う反対尋問という順番で行われます。会ったこともない人を証人として呼ぶことも希にありますが、通常は、来てもらうにあたって十分打ち合わせをします。ですので、主尋問は上手くいくことが多いです(証人が緊張して頭が真っ白になってしまい、証言がボロボロ・・・ということもありますが。)。他方、反対尋問の打ち合わせ、というのはあり得ませんのでぶっつけ本番になります。もちろん、事前準備のできる範囲で聞きたいこと(突っ込みたいこと)を考えるのですが、主尋問の中で出てきた事実や矛盾点を利用して突っ込む、というのは、事実関係や相手の主張を頭に入れておいた上で、きちんと主尋問を聞いていないとできません。
今回は、相手方証人(本人)の矛盾を上手く突くことができ、結果としてこちらの主張を認めてもらうことができました。裁判官は、証人尋問の前に既に心証形成しており、尋問は確認の程度に聞いているということも多いのですが、やはり、本人が法廷で話したこと、特に反対尋問で話したことは裁判官の心証に多かれ少なかれ影響を与えるのだと思います。
「リーガルハイ」みたいに格好の良い尋問は、現実にはあまりないのでご了承下さい。
(兄弟子)