設問6 (6月6日検討予定)
※5月30日は早慶戦が予定されています。
天候にかかわらず講義は行いません。
1
以下の各事例において、XはYに対して、登記なくして時効による土地所有権の取得を主張できるか。判例の考え方を紹介した上で、これと異なる学説と比較しなさい。
(1)
Xは、Yの土地を、1995年、善意無過失で占有を開始した。
(2)
Xは、Aの土地を、1995年、善意無過失で占有を開始した。
Aは2000年に、本件土地をYに譲渡した。
(3)
Xは、Bの土地を、1995年、善意無過失で占有を開始した。
2005年に時効が完成したが、Xが登記をしないでいる内に、2007年、Bはこの土地をYに譲渡した。
(4)
上記(3)の事例で、Xは、占有開始時期は1998年であると占有開始時期をずらして主張し、2008年に時効が完成したと主張することができるか。
(5)
Xは、Cの土地を1985年に、善意無過失で占有を開始し、1995年に取得時効が完成した。しかし、Xが登記をしないでいる内に、1997年、Cはこの土地をYに譲渡し、Yが登記を取得した。しかし、その後も、Xは、本件土地を善意無過失で占有し続けた結果、2007年には、Yが登記をしてから10年が経過した。
2
Xは、1962年からAの土地を自主占有していた。1983年にAは、本件土地にYのための抵当権を設定して、その旨の抵当権登記をした。その後、XはAに対して20年の占有を理由とする取得時効を援用し、これが認められて1999年に時効取得を原因とする移転登記をした。さらにXは、今度はYに対して、1983年から10年間占有したことを理由に取得時効を援用し、Yの抵当権登記の抹消を求めた。Xのこの請求は認められるか。
【ヒント】
大判大正7年3月2日 民録24-423
大(連)判大正14年7月8日 民集4-412
最判平成15年10月31日 判時1846-7
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